産後ケアを使って、本当によかった。
あの時、勇気を出してお願いしていなかったら——正直、退院後どうなっていたかわからない。
「産後ケアって何?」「自分が使っていいの?」「費用はいくら?」と気になっている方に、経緯から申請方法・費用のリアル・利用してよかったことまで、体験談を交えてまとめます。少しでも参考になれば嬉しいです。
⚠️ この記事は個人の体験記です。産後ケアの制度内容は自治体によって異なります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
産後ケアってそもそも何?
産後ケアとは、出産後のお母さんと赤ちゃんが助産師・看護師のサポートを受けながら過ごせる公的なサービスのことです。
主に3種類あって、産院や施設に泊まる「宿泊型」、日中だけ通う「日帰り型」、自宅に来てもらう「訪問型」があります。
対象は産後一定期間の母子(多くの自治体では産後4ヶ月〜1年未満)。授乳指導・育児相談・休養など、退院直後の不安な時期を専門家のそばで過ごせるのが最大の特徴です。
ただ、自治体によって内容・費用・補助額が全然違うので、まずは「産後ケア+お住まいの市区町村名」で検索してみてください。
私が産後ケアを使うことになった経緯
産後ケアという言葉は知っていた。母子手帳をもらった時にチラシみたいなのが入っていたし説明も受けた。
でも正直、「自分が使うもの」とは思っていなかった。
出産時に出血多く貧血の症状が強くてフラフラだった。
産後2日目の夜、理由もないのに涙が止まらなくなった。体は少しずつ回復に向かっているのに、気持ちはどんどん落ちていく。「あと2日で退院して、本当に大丈夫なのか」という不安が暗闇の中でじわじわ広がっていた(その夜の話は産後レポ②に詳しく書いています)。
産後3日目の朝、本来なら翌日が退院の予定。でも自宅に帰ることへの不安でまた涙が出てきた。ふらつきはまだある、母乳もうまく出ていない、退院後のワンオペのことを考えると、出口が見えなかった。
「退院を延ばせないか相談しよう」と思っていたところに、娘を取り上げてくれた助産師さんが先に声をかけてくれた。
「退院、明日できそう?」 その一言で涙腺が崩壊した。
退院を延ばしたいと伝えると、「1日2日延ばしても正直あまり変わらないと思う。それより産後ケアがあるから使ってみたら」と。「上の子に我慢させてしまうかな」と迷っていると、「お母さんが元気じゃないと子供は不安になるし、上の子がいたら退院してからの方が大変やねんから、いられるだけいたらいい」と言ってもらえ産後ケアを利用することにした。
申請方法|思っていたよりずっと簡単だった
産後ケアを受けると決まってさっそく行動した。
住んでいる市の窓口に電話して、産後ケアの申請方法を確認。私の市では電子申請(ネット申請)で手続きができて、申請が通ればその日から利用可能とのこと。
思っていたよりずっとハードルが低かった。
ただ、補助クーポンは後日郵送で届く仕組みになっていて、利用産院では一旦全額支払い→後日差額を返金してもらう形になりました。病院の窓口も産後ケアの担当の窓口も手間取った様子もなく慣れた様子でスムーズに行われ自分だけではないんだと実感した。
自治体によって申請方法・補助内容・利用できる施設が全然違うので、まずは電話かホームページで確認するのが一番早いと思います。
👉 調べ方:**「産後ケア+お住まいの市区町村名」**で検索
そして、補助クーポンがある自治体に住んでいる方は——出産前に申請だけ済ませておくのが断然おすすめです。産後はとにかく動けない。使うか使わないかわからないけど、余裕があるうちに動いておいて損はないです。
利用初日産後4日目|退院→そのまま産後ケアへ
月曜日に入院して、金曜日が退院予定だった。退院の検診を受けて、退院と同時に同じ産院の特室に移動する形で産後ケアがスタート。
入院中の病室とは少し違う、ゆとりのある部屋。でも顔なじみの助産師さんがいて、知っている環境。「ここなら大丈夫」という感覚が自然と戻ってきた。
産後ケア中は、入院中とほぼ変わらないサポートを受けることができた。今まではなんとか自分の産後の身体を整えることだったけど徐々に自宅での生活をイメージしながら少しずつ慣らしていくような時間でした。授乳のリズムを整えたり、赤ちゃんのお世話に慣れていったり。
ひとつ知っておいてほしいのは、産後ケアは病院に滞在していても「医療処置はできない」ということ。入院とは違い、発熱しても薬を処方できないと言われました。(過去にそういう例もあったと聞きました)。退院前に日に痛み止めや処方されている薬に不足ないかを確認された。
産後ケア中、実際に何をしてもらったか
授乳指導から赤ちゃんのお世話まで、入院中と同じようにサポートしてもらえた。
産後4日目から利用を始めた時点で、母乳はようやく出始めたかな、という状態。まだまだ安定していなかった。
この施設は母子同室でも別室でも、どちらでも選べた。私の場合、産後ケア前半は夜間だけ新生児室に赤ちゃんを預けて、残りの2日間は夜間も自室で一緒に過ごした。日中は面会の時間以外は預けていた。退院したら動かないと受けないからゆっくりさせてもらうことを優先した。
夜間も日中も、新生児室で赤ちゃんが泣いて母乳の時間ならナースコールで呼んでもらえた。ゆっくり休めて赤ちゃんを誰かが見てくれるのは、産後のボロボロな状態の私には本当にありがたかった。
同じ産院で産後ケアを受けてよかったこと4つ
産後ケアは別の施設を利用することもできるけれど、私は出産した産院でそのまま利用しました。これがほんまによかった。
① 入院中と同じ環境で安心して過ごせた
場所が変わる不安がない。同じ建物、同じスタッフ、同じ雰囲気。それだけで気持ちが落ち着いた。産後のボロボロな状態で知らない場所に移動するストレスがないのは、本当に大きかった。
② 顔なじみのスタッフに引き続き見守ってもらえた
入院中からお世話になっていた助産師さんたちが産後ケア中もそのまま担当してくれた。新しいスタッフに一から状況を説明する必要がなく、自分の状況をわかってもらえているのが心強かった。
③ 新生児の状態も私の回復状況も把握されていた
娘が生まれた瞬間から見てくれているスタッフが引き続きケアしてくれる。体重の推移も産後の経過も全部知っていてくれる。経過を説明しなくていい、というのはこんなに楽なのかと実感した。
④ 移動の負担がない
産後4日目でも、まだ体はしんどい。荷物をまとめて移動して、また新しい環境に慣れて——というのが単純にきつかっただろうと思う。同じ場所でそのまま移行できたのは、体への負担という意味でも本当に助かった。
産後ケアの費用(私の場合のリアル)
費用は自治体と利用施設の両方がかかります。私の場合はこうでした。
自治体の補助(私の市):1泊あたり自己負担5,000円
利用産院の費用:自己負担金+個室料金
- 1泊2日=1万円
- 1泊追加ごとに+5,000円
私は3泊4日利用したので、産院への支払いは1万円+5,000円×2=2万円。これに自治体の自己負担分が加わる形でした(クーポン適用後の差額は後日返金)。
決して安い金額ではないけれど、あの状態で一人で抱えていたことを考えると、絶対に必要な出費だったと思っています。
ちなみに参考までに、同じ産院での分娩費用はこうでした。経膣分娩の場合、出産育児一時金の範囲内で賄えました。自費部分は個室13,000円/特室15,000円(産後ケアで使った特室が15,000円)。なので入院延長するよりも安かった。
利用してみて、どうだった?
一言で言うと——「心と体を整えて、家に帰る準備をする時間」でした。
退院してすぐワンオペ育児に突入していたら、私は絶対に壊れていた。そう確信しています。
産後ケア中の3泊4日で、授乳のリズムが少し掴めてきた。娘の泣き声への反応も、少しずつ落ち着いてきた。「家に帰っても大丈夫かもしれない」と思えるようになったのは、産後ケアの最終日に近づいてからだった。
あの時、助産師さんに背中を押してもらって、本当によかった。「頼っていいのかな」「上の子に我慢させてしまう」と迷っていたけれど、お母さんが元気でいることが、家族全員にとっていちばんよかったと思っています。
もし産後ケアを使わずに退院していたら
もし産後ケアを使わずにそのまま退院していたら、と今でも時々考える。
夫は私が入院していた週と翌週がちょうどお盆休みで、合わせて2週間育休をとってくれていた。1人目の時には考えられなかったことで、6年半の間に世間も育休を取る率もずいぶん変わったなと思う。上の子は小学校が夏休みでちょうど暇している。家事、授乳、上の子の相手——それを全部こなすことになっていた。あの時の体で——ふらつきがあって、母乳もうまく出なくて、理由もなく涙が出てくるあの状態で——やっていたら、確実に限界を超えていたと思う。
「頑張れる気がする」と思えるようになったのは、産後ケアの最終日だった。逆に言えば、それまではまだ無理だった。産後ケアがなければ、その「まだ無理」な状態で家に帰るところだった。
産後すぐ以外にも使える・知っているだけで誰かを助けられる
産後ケアっていつ使うの?産後の一定期間内であれば使える場合があります。産院で話した産後経過が順調ママさんの中には、「退院直後より、しばらくして疲れが出てくる3ヶ月ごろに使いたい」と話していました。産後すぐの体力的なしんどさだけでなく、育児が少し軌道に乗ってきたころの「じわじわとした疲れ」にも使える制度です。
もうひとつ、産後ケアについて印象に残っていることがある。
退院後1ヶ月で娘が川崎病になり、付き添い入院をすることになった
(その時の話はこちらの記事に書いています)。
同室に、赤ちゃんの体重がなかなか増えず入院になったママさんがいた。乳腺炎のような症状もあって、退院日に困っているようだった。
「産後ケアで母乳ケアも受けられるかもしれないですよ」と伝えると、別の市在住だったけれど電話一本でその日から適応になり退院手続き中に日帰りの母乳ケアを受けて退院された。少し前の自分の体験があったから伝えられた。役に立てたなと、じんわり嬉しかった。
そして正直に言うと、その付き添い入院中、私自身もまたホルモンが崩壊していた。娘の川崎病のストレスと睡眠不足で、また涙が止まらない日があった。あの時、産後ケアをまだ使えたのかどうか、確認できればよかったなと今でも思う。
産後ケアの情報は、知っているだけで自分を助けることにも、誰かを助けることにもなる。だからこそ、この記事を書きたかった。
迷っている方へ
「産後ケアって、もっと大変な人が使うものでしょ」と思っていた。でも違った。
産後のしんどさは、外からは見えない。ホルモンバランスが激変して、体はボロボロで、睡眠もとれなくて、でも「お母さん」としての責任がのしかかってくる。そんな時期に、一人で全部抱えなくていい。そのための制度が、産後ケアだと思っています。
もし少しでも気になっているなら、まず調べてみてください。「自分が使うほどでもない」と思っていても、産後は何があるかわからない。
そして、補助クーポンが出る自治体に住んでいる方は、出産前に申請だけ済ませておくのが断然おすすめです。動けるうちに、少しでも備えておいてほしいです。
まとめ
産後ケアは、産後のお母さんと赤ちゃんを専門家がサポートしてくれる公的な制度です。費用は自治体の補助によって大きく変わりますが、私の場合は3泊4日で産院費用2万円+自治体自己負担分(クーポン適用後)でした。
退院直後の産後ケアはまさに「心と体を整えて家に帰る時間」。迷っている方には、ぜひ一度調べてみてほしいです。
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