「里帰りなしで2人目なんて、本当に乗り切れるの……?」
上の子のお世話もある、親には頼れない、夫は仕事で頼りにくい。条件が重なれば重なるほど、途方に暮れてしまう気持ち、痛いほど分かります。
でも、先にお伝えさせてください。 里帰りなしの2人目出産は、産前の備え方さえ間違えなければ乗り切れます。
大事なのは「気合いで乗り切る!」ではなく、「絶対にやってくるしんどい日を想定して、先に仕組みを作っておくこと」。本当にこれに尽きました。
私は41歳で第二子を出産しました。 里帰りなし、夫は平日ほぼ不在、お互いの親も介護中で頼れない。そして上の子は当時、小学1年生。正直、かなりのハードモードだったと思います。
この記事では、産後1年が経った今だからこそ言える「本当に備えてよかったこと5つ」と、「意気込んだものの見事に撃沈したこと」をリアルにまとめました。
読み終わるころには、「あ、これなら私にもできそう」「まずこれから準備しようかな」と、少し心が軽くなっているはずです。
里帰りなしを選んだ理由|1人目で里帰りして、しんどかったから
実は私、1人目のときは里帰りをしているんです。そのうえで「2人目は絶対に里帰りしない!」と決めました。
理由は、1人目の里帰りが思っていた以上にしんどかったからです。
当時も夫は忙しく、「それなら里帰りした方がいいんじゃない」という空気がありました。親と仲が悪いわけではありません。ただ、私も親もお互いに自分のペースを保ちたいタイプ。なんとなく世間の雰囲気に飲まれる形で里帰りを決めましたが、結果は予想した通りでした。
実家とはいえ、私は10年以上ひとり暮らしをしていたので、その家の生活のリズムがもうわかりません。どこに何があるかも、いつ何をする家なのかも、自分の暮らしとは別物でした。気を使い合う日々が続き、ストレスからか乳腺炎になり、顔も荒れて皮膚科に通うことになりました。その皮膚科も、知らない土地で自分でゼロから調べて探しました。
しんどかったのは私だけじゃなかったようで、後から親に「2人目のときは、向こうのご両親にお願いしたら…?」と言われる始末(笑)。
だから2人目は、最初から自宅で乗り切ると決めていました。
とはいえ、条件が楽だったわけではありません。実両親は介護の真っ最中で、義両親もひいおばあちゃんのケアを抱えています。夫は平日ほぼ家にいない働き方。
ただ、今回は運のよかったことが1つありました。計画無痛分娩でお盆の少し前に産む予定が立てられたため、お盆休みと育休を合わせて、夫に2週間ほどまとまった休みを取ってもらえたんです。6年前とは違い、夫の会社も育休を取りやすい雰囲気に変わっていました。この変化には正直、助けられました。
……ただし、たったの2週間です!
しかも大半は私の入院期間で、夫が担当してくれたのは主に上の子のサポート。私が退院してから一緒にいられたのは1週間程度でした。
つまり「里帰りなし」は、頼れる人がゼロという意味ではありません。限られた手を、どこに使うかを決めることでした。以下の5つは、その前提で用意した備えです。
【備え1】里帰りなしの食事は、産前に9割決めておいた
一番効いたのは食事の備えです。
理由は、産後に一番削られるのが「今日何を食べるか決める」という判断だからです。体がつらいのに、献立を考えて、買い物に行って、作って、片付ける。この連続が地味に効いてきます。
私が産前にやったのは2つ。サブ冷凍庫を買うことと、冷凍宅配弁当をストックすることでした。
サブ冷凍庫を買ったのは、メインの冷凍室がすでにパンパンだったからです。冷凍野菜も作り置きもアイスも全部押し込んでいて、何がどこにあるかわからない状態。ここに産後用のストックを足すのは物理的に無理でした。
選んだのは80Lのスリムタイプ、自動霜取り機能つき。価格は5万円弱でした。決して安い買い物ではありません。
正直、スペックより先に決め手になったのは色です。冷凍庫はほぼ白しかないのですが、これはダークグレーがあった。キッチンに置くものなので、そこは譲りたくありませんでした。

届いた翌日に思ったのは「なんでもっと早く買わなかったんだ」でした。冷蔵庫の中がスッキリしただけで、地味なストレスが1つ消えたんです。
そしてもう1つが冷凍宅配弁当。想定外だったことは、偏食気味だった上の子が「お弁当みたい」と喜んで食べたことです。どちらも産前には期待していませんでした。
夫は料理が苦手なうえ、仕事から帰ってくる時間には作る余裕もありません。本人いわく、帰ってすぐチンするだけで食べられるのがありがたかったそうです。
食事の備えは、この2つの記事に詳しく書いています。


【備え2】お湯がすぐ出る環境が、ワンオペ産後を想像以上に支えた
これは完全に「想定外の当たり」でした。
ウォーターサーバーを置いたのは、正直「あると便利かな」程度の気持ちです。産前の時点では、授乳がどうなるかまで具体的に想像していませんでした。
実際に始まってみると、我が家は途中から完全ミルクになりました。授乳のかたちは産んでみないとわからないというのが、2人産んでの実感です。そしてミルクになった瞬間、お湯がすぐ出る環境の価値は一変しました。夜中の授乳のたびにお湯を沸かす生活を想像してみてください。あれをやらずに済んだのは本当に大きかった。
費用は月額3,300円です。正直、安くはありません。それでも、夜中に何度もキッチンへ立つ手間と、上の子が自分で飲み物を用意できるようになったことを合わせて考えると、我が家では十分に元が取れていると感じています。
さらに予想していなかったのが、上の子への効果です。小1の娘が、カップラーメンやお茶漬けを自分で作れるようになりました。「喉かわいた」と言われるたびに立ち上がらなくてよくなったのも、地味ですが助かった点です。
新生児のお世話をしている横で、上の子が自分のことを自分でできる。この状態を作れたのが、ワンオペを回すうえで効きました。


【備え3】産前に片付けたから、備えを置く場所ができた
順番として、実はこれが一番先でした。
理由は、買うものを決める前に、置く場所を作らないと物の置き場所がなくなるからです。サブ冷凍庫を買えたのも、先にキッチンの食器を減らして食器棚をコンパクトにしていたからでした。片付けが後の判断を助けてくれた形です。
1人目のときは、これをやらずに産後のキッチンがカオスになりました。哺乳瓶、消毒ケース、離乳食グッズが次々に増えるのに、それを置く隙間がどこにもない。2人目では産前に整えておいたので、「なんとかなる」状態を保てました。
あわせて書類の整理もしました。産後は役所の手続きが立て続けに来るので、これも先にやっておいて正解でした。
ベビー用品は、6年前のものを引っ張り出すところから始めました。使えるものはそのまま使っています。
ただし服は、上の子のときにほとんど手放していたうえ、今回は生まれる季節がちょうど真逆。手元に残っていても季節が合わないので、結局買い足すことになりました。
もし上の子と生まれ月が離れている場合は、「取っておいたのに使えなかった」が起きやすいので、季節が合うかどうかを確認することをおすすめします。

【備え4】上の子には「手伝わせる」より「任せる」
産前から、娘に少しずつ家事を覚えてもらいました。炊飯器でごはんを炊く、洗濯物をたたむ。この2つです。ありがたいことに娘はあれやりたいこれやりたいのお手伝いやりたい時期でした
狙いは戦力にすることではなく、「自分でできた」という感覚を持ってもらうことでした。
結果として、洗濯物たたみはよく手伝ってくれました。ただし、ここには1つだけルールを作っていました。本人が「やる」と言ったときだけです。こちらから無理にお願いすることはしませんでした。
義務にした瞬間に「赤ちゃんが来たから我慢させられている」に変わってしまう気がして、そこは慎重にしました。実際、押し付けなかったからこそ続いたのだと思います。
そして予想していなかったことも……1年生の最後にあった発表会、テーマは「1年間でできるようになったこと」。娘が選んだのは「洗濯物が上手にたためるようになりました」でした。実際にみんなの前でたたんで見せていて、あれは本当に嬉しかったです。
産後の手を借りるつもりで始めたことが、本人の自信になっていた。これは完全に想定外の副産物でした。

【備え5】夫との予定共有は、カレンダー1つで足りた
大げさな準備は必要ありませんでした。やったのはGoogleカレンダーの共有だけです。
理由は、里帰りなしのワンオペで一番怖いのが「急に動けなくなること」だからです。上の子の運動会が5月、出産予定が8月。この2つを軸に、夫がいつ休めるか、いつリモートにできるかを早い段階で擦り合わせておきました。
出産は計画無痛分娩の予定だったので、日程が読めたのも助かった点です。ただし、日程が決まっていても早く生まれる可能性も夫には伝えておきました。「その日より前に始まったらどう動くか」を、事前に考えておいてもらいたかったからです。
そして正直に書いておくと、予定通りにはいきませんでした。無痛分娩のはずが絶叫することになり、吸引分娩と多量出血も重なりました。さらに退院の日には同じ病院でそのまま産後ケアを利用したので、自宅に帰る日も当初の予定より後ろにずれています。
だからこそ「予定を共有しておく」のは、その通りに進めるためではなく、崩れたときに夫が動ける状態にしておくためだったと今は思います。

準備リストになかったのに、里帰りなし産後を一番救ったもの
ここまで5つ書いておいて何なのですが、実際に一番助けられたのは、準備リストに一度も書いていなかったものでした。
産後ケアです。
言葉自体は知っていました。母子手帳をもらったときに説明も受けています。それでも「自分が使うもの」だとは思っていませんでした。
きっかけは産後2日目の夜です。体は回復に向かっているのに、理由もなく涙が止まらなくなりました。出血が多くて貧血もあり、ふらつきが残っている。母乳もうまく出ない。この状態で退院して、上の子もいる家に帰って本当に大丈夫なのか。出口が見えませんでした。
翌朝、娘を取り上げてくれた助産師さんが先に声をかけてくれました。「退院、明日できそう?」。その一言で泣き崩れました。
産後ケアを勧めてくれたのもその方です。「上の子に我慢させてしまうかな」と迷った私に、こう言ってくれました。「お母さんが元気じゃないと子どもは不安になる。上の子がいたら退院してからの方が大変やねんから、いられるだけいたらいい」
申請は思っていたよりずっと簡単でした。市の窓口に電話し、電子申請で手続き。その日から利用できました。
もしこの記事を産前に読んでいる方がいたら、ひとつだけ。産後ケアは、産む前に調べておいてください。「産後ケア+お住まいの市区町村名」で検索すれば出てきます。私は追い詰められてから動きましたが、先に知っていれば、あの夜の不安はもう少し小さかったはずです。


想定していなかった助け|上の子を預かってもらえた夏休み
もうひとつ、産前の計画には一切入っていなかった助けがあります。
出産がお盆前だったため、上の子は夏休みの真っ最中でした。そんなとき、上の子のママ友が娘を預かってくれたんです。しかも自宅のプールで遊ばせて、ごはんまで食べさせてくれました。
その間、私は休むことができました。新生児がいる家で「まとまって休める時間」がどれだけ貴重か、産んだ方ならわかると思います。あの数時間は本当に大きかった。
里帰りなしと聞くと「誰にも頼れない」と思いがちですが、実際に助けてくれたのは、親でも親戚でもなく同じ地域で子育てをしている人でした。
もし今、上の子の預け先に不安があるなら、産前の時点で「頼めるかもしれない人」を思い浮かべておくといいと思います。実際に頼むかどうかは別として、選択肢として持っておくだけで気持ちが違います。

正直、計画倒れに終わったこと2つ
備えの話ばかりでは実態と違うので、できなかったことも書いておきます。
1つ目は体重管理です。食事記録アプリを妊婦コースで登録しましたが、続いたのは最初だけでした。結果として妊娠中に体重は70kg近くまで増え、体が重くて動くのがしんどい時期もありました。これは正直、計画倒れです。
2つ目はマタニティヨガ。産院のクラスに1回だけ参加しましたが、予約がかなりの激戦で、行きたいときに行けませんでした。「YouTubeでセルフメンテナンスも」と意気込んでいたものの、こちらはほぼ実行できていません。
逆に、やってよかった「準備以外」のこともあります。産前に友人とゆっくりお茶をしたことです。産後はカフェに入りづらくなるので、あの時間は貴重でした。もうひとつが上の子との旅行。近場ですが宿泊で出かけ、2日間とも1万歩ほど歩きました。休憩をはさみながらでしたが、下の子が生まれる前に2人だけの思い出を作れたのは今でもよかったと思っています。
まとめ|里帰りなしのワンオペ産後は「仕組み」で乗り切れる
振り返って思うのは、乗り切れた理由は根性ではなく、しんどい日を先に想定していたことだったということです。
- 食事は産前に9割決める(冷凍庫とストックの確保が最優先)
- お湯がすぐ出る環境は、ミルクにも上の子の自立にも効く
- 買う前に片付ける。置き場所がないと備えは置けない
- 上の子には任せる。ただし本人がやると言ったときだけ
- 予定共有は、崩れたときに動けるようにするため
- 産後ケアは、産む前に調べておく
- そして、頼れる相手は親や親戚だけとは限らない
すべてを完璧にやる必要はありません。私自身、体重管理もヨガも計画倒れでした。それでも産後を乗り切れたのは、判断を減らす仕組みだけは用意していたからだと思います。
里帰りなしでも、頼れる人が少なくても、大丈夫です。人に頼れないなら、仕組みに頼ればいい。その準備は、体が動く今だからこそできます。
産後に一番助けられた備えを1つだけ挙げるなら、やはり食事のストックを置ける場所を確保できたことでした。
同じ条件で不安を抱えている方の、少しでも支えになれば嬉しいです。
